GREM(GIAC Reverse Engineering Malware)とは、SANS Instituteの関連団体であるGlobal Information Assurance Certification(GIAC)が提供する専門認定資格です。この資格は、マルウェアの機能やその分解方法について深い理解を身につけたい情報セキュリティ専門家やシステム管理者向けに設計されています。
GREMの認定を受けるには、悪意のあるソフトウェアのリバースエンジニアリングに精通していることを証明する必要があります。リバースエンジニアリングとは、マルウェアを分解して、その起源、機能、影響を理解することを意味します。これは、マルウェアに対する効果的な防御策や対応策を開発するために行われるものです。
例えば、ある企業のサイバーセキュリティアナリストを想像してみましょう。その企業のネットワークは、既存のセキュリティ対策を回避した未知の新種のマルウェアに侵入されました。このアナリストは、GREMの認定を受けていれば、このマルウェアを分解し、コードを解析し、何を行っているかを理解するスキルを持っています。マルウェアがどのようにシステムに侵入するのか、どのようなデータを狙うのか、コマンド&コントロールサーバーとどのように通信するのか、などを把握できます。
これらの情報をもとに、アナリストは、企業のシステムからマルウェアを排除するための戦略を立てるとともに、今後同様のマルウェアが侵入しないよう、企業の防御を強化できます。
この資格は一般に、サイバーセキュリティの分野で重要な資格として認識されており、保有者が現代のコンピューティングにおける最も根強い脅威の1つに対処するための高度な技術スキルを有していることを示すものである。