IFRS（International Financial Reporting Standards: 国際財務報告基準）は、国際会計基準審議会（IASB）が策定した一連の会計基準です。これらは、公開企業やその他の大規模な組織の財務諸表を作成するために使用されます。IFRSは、欧州連合やアジア、南米の多くの国々を含む世界の多くの地域で使用されています。しかし、米国では、一般に認められた会計原則（GAAP）と呼ばれる独自の基準をまだ主に使用しています。
IFRSの目的は、世界中の企業がお互いの財務諸表を理解できるように、ビジネスに関する共通言語を作ることであり、異なる企業を比較検討することが容易になることです。これは、多国籍企業や国際的な投資を考えている投資家にとって特に有用です。
例えば、ドイツと日本の2つの会社があるとします。IFRSのような基準がなければ、この2つの会社はそれぞれの国で定められた全く異なる会計ルールに従っているかもしれません。そうすると、他の国の投資家やパートナーが財務諸表を理解するのは難しくなります。
しかし、両社がIFRSを採用していれば、同じルールで財務諸表を作成できます。例えば、減価償却費の計算、収益の認識、棚卸資産の評価などは同じ方法で行うことになります。これにより、例えば米国の投資家は、この2社の財務状況を理解し、比較することが非常に容易になります。
しかし、IFRSは厳格なルールではなく原則に基づいているため、適用が複雑になる可能性があることは留意しておく必要があります。つまり、会計士は自社の財務実態をどのように表現するのがベストなのか、判断する必要があるのです。これは、よりルールに基づき、ほとんどの会計シナリオに対して特定の方法を規定する米国GAAPシステムとは異なるものです。