JIT（ジャストインタイム）とは、生産戦略の1つで、仕掛かり在庫とそれに伴う保有コストを削減することで、ビジネスの投資対効果を向上させることを目的としています。JITの目標は、生産工程で必要とされるタイミングで、それ以前ではなく、正確に製品を製造することです。
例えば、あなたが家具製造業を営んでいるとしましょう。従来は、木材や釘、ネジなど、必要な材料を大量に在庫しておくことがありました。これでは、大口の注文でも必ず対応できますが、その分、在庫に多くの資金を拘束されてしまいます。また、在庫を保管するための大きな倉庫も必要ですし、材料が陳腐化したり劣化したりするリスクもあります。
JITでは、家具を作るときに、木材や釘、ネジなどを必要な量だけ注文します。そうすれば、余分な材料が転がっていることがないので、保管コストを節約でき、陳腐化のリスクも減らすことができます。
しかし、JITでは、生産とサプライチェーンのプロセスが非常に効率的に行われる必要があります。材料の納品が遅れると、家具の注文に間に合わなくなる可能性があります。つまり、JITはコストを削減し、ビジネスを効率化できる反面、サプライヤーとの慎重な管理と調整が必要なのです。
JIT生産方式を製造工程でうまく使っている企業の例としては、トヨタが有名です。