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スケールアウト(Scale-out)とは

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スケールアウト(「水平スケーリング」とも呼ばれる)とは、コンピュータや情報科学において、増加するワークロードを処理し、システムの性能を向上させるために用いられる戦略です。この方法では、単一のシステムの容量を増やすのではなく、より多くのサーバーやシステムを追加して負荷を分散させます。この方法によって、複数のシステムが連携してより大きなワークロードを処理し、全体的なパフォーマンスと信頼性を向上させることができます。

スケールアウトの例

1. Webサーバー

Webサイトのトラフィックが急増した場合、受信したすべてのリクエストを処理するのに苦労することがあります。この問題に対処するために、Webサーバーを追加し、トラフィックを分散させることができます。この場合、ロードバランサーを使用します。ロードバランサーは、受信したリクエストを複数のサーバーに均等に分配し、1つのサーバーがボトルネックとならないようにします。

2. データベースシステム

データベース駆動型のアプリケーションでは、ユーザー数やトランザクション数が増えるにつれて、データベースサーバーに負荷がかかることがあります。スケールアウトすることで、複数のデータベースサーバーを追加し、作業負荷を分担できます。データベースシャーディングやクラスタリングなどの技術を採用し、データとクエリを複数のサーバーに分散させることができます。

3. ファイルストレージ

ファイルストレージシステムでは、保存されるデータ量が増加するにつれて、システムの性能または容量の制限に直面することがあります。そこで、ストレージデバイスを増設し、データを分散させることで、分散ファイルシステムを構築し、性能と容量を向上させることができます。

4. 分散コンピューティング

Apache HadoopやSparkなどのビッグデータフレームワークで実行されるような大規模なデータ処理タスクでは、スケールアウトが不可欠です。これらのシステムでは、ワークロードをコンピュータのクラスタに分割し、各コンピュータがデータの一部を並行して処理できるようにします。クラスタにコンピュータを追加すればするほど、処理能力は向上します。

まとめ

要約すると、スケーリングアウト(または水平スケーリング)とは、負荷を分散させるためにサーバーやシステムを追加することで、パフォーマンスを向上させ、増加する作業負荷を処理するためにコンピューティングで使用される戦略です。この手法は、Webサーバー、データベースシステム、ファイルストレージ、分散コンピューティングなど、さまざまな分野で採用され、需要が増大しても性能と信頼性を維持できます。