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トップダウンテストとは

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トップダウンテストとは、ソフトウェアテストで使われる用語で、システムの最上位からテストを開始し、まず主要な機能またはモジュールに焦点を当て、次に下に向かって小さなコンポーネントまたはサブモジュールをテストしていくアプローチを表す言葉です。この方法は「トップダウン統合テスト」とも呼ばれ、ソフトウェアの機能性と統合性を体系的かつ組織的にテストする方法です。

トップダウンテストの例

1. プロジェクト管理ソフトのテスト

あるチームがプロジェクト管理ソフトを開発しているとします。このソフトウェアの主なモジュールには、タスク管理、チームコラボレーション、ファイル共有が含まれます。トップダウンテストのアプローチでは、チームはまずタスク管理など主要なモジュールのテストから始めるでしょう。タスクの作成、割り当て、完了のマーク付けができることを確認するのです。メインモジュールの機能を確認した後、通知やタスクの優先順位付けなどのサブモジュールのテストに進み、適切な統合と機能性を確認します。

2. Eコマースサイトのテスト

ある企業が、商品閲覧、ショッピングカート、決済処理などの主な機能を持つEコマースサイトを作成しました。トップダウンのテストシナリオでは、テスターはまず、商品の閲覧やショッピングカートへの追加など、高レベルの機能に焦点を当てることになります。主要機能のテストと検証が完了したら、商品の検索、オプションのフィルタリング、関連商品の表示など、より低レベルのコンポーネントに移行します。

3. 気象アプリケーションのテスト

あるソフトウェア会社が、現在の気象条件、予報、気象警報の表示などの主要機能を備えた気象アプリケーションを開発しました。トップダウンテストでは、テスターはまず、現在の天候の正確さや表示といった主要な機能をチェックします。主要な機能が意図したとおりに動作することを確認した後、1時間ごとの予報や特定の場所の気象警報など、より小さなコンポーネントのテストに移行することになります。

トップダウンテストの特徴

トップダウンテストは、テストプロセスの早い段階でソフトウェアの主要な機能やモジュールの問題を特定し、より詳細なコンポーネントに入る前にその問題に対処することを可能にします。しかし、トップダウンテストの限界として、まだテストされていない下位のコンポーネントの機能をシミュレートするための「スタブ(連携先APIが未完成であったり、利用不可の際に使用する代用品のこと)」または一時的なコード片に依存することが挙げられます。このため、テスト結果が不完全になったり、誤解を招いたりすることがあります。

まとめ

要約すると、トップダウンテストは、システムの最上位レベルから始めて、主要な機能またはモジュールに焦点を当て、次に、より小さなコンポーネントまたはサブモジュールをテストするために下に移動するソフトウェアのテストアプローチです。この方法は、テストプロセスの早い段階で問題を発見するのに役立ちますが、テストされていない下位レベルのコンポーネントをシミュレートするために、一時的なコード片や「スタブ」を使用する必要がある場合があります。