ユニバーサルデザインとは、年齢や能力、生活状況にかかわらず、誰もが使いやすく、利用しやすい製品や環境を作るためのアプローチです。その目的は、適応や特殊な設計を必要とせず、可能な限りすべての人が使用できる製品や環境を設計することです。
図書館のような公共建築物を例にとって考えてみましょう。従来型の図書館では、入口に階段があり、本棚の高さが決まっていて、サービスデスクも標準的な高さであることがあります。これでは、車いすを使う人や背の低い人、長時間立っていることが困難な人にとって、利用しにくい、あるいは利用できない可能性があります。
ユニバーサルデザインの原則に従って設計された図書館では、代わりにスロープ付きの入り口、高さ調節可能な本棚、立ったままでも座ったままでも利用できる高さのサービスデスクが設置されます。また、トイレは車いすでも利用できるように十分な広さを確保し、サインは視覚障がい者を助けるために視覚と触覚の両方を備えたものにします。
また、Webサイトの例もあります。ユニバーサルデザインのアプローチでは、スクリーンリーダーを使用する視覚障害者を含め、誰もがアクセスできるWebサイトを確保できます。例えば、色を使って伝える情報はすべて色なしでも利用できるようにしたり、マウスが使えない人のためにキーボードからすべての機能を利用できるようにしたりすることが考えられます。
ユニバーサルデザインの重要なポイントは、障がいのある人だけが恩恵を受けるのではなく、誰もがより使いやすい製品や環境から恩恵を受けられるということです。例えば、図書館の入り口にスロープがあれば、車いすの方だけでなく、ベビーカーを持った親御さんや、一時的に怪我をしている方にも便利です。つまり、ユニバーサルデザインとは、誰にとってもより包括的な世界を作ることなのです。