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ポモドーロテクニック再考。エンジニアのリモートワークの生産性向上について

【画像】ポモドーロテクニック再考。エンジニアのリモートワークの生産性向上について

最近の世間ではリモートワークからオフィス回帰の動きが見られます。
しかし、IT業界ではエンジニアのリモートワークが継続されている企業も多いです。従来より通勤時間を無駄と捉える人が他の業種より多かったエンジニアですが、コミュニケーション不足や自宅の作業環境もかなり改善されたおかげで、さらにリモートワークを推す人が増えたように感じます。

そのようなリモートワーク環境の中で、エンジニアの生産性向上に効果的なポモドーロテクニックについて紹介します。
運営者である田邉は何度かポモドーロテクニックを導入しましたが、マルチタスク過多だったり、エンジニア業以外(経理作業やら人事やら)があったりで導入を何度も挫折していました。しかし、ここしばらくは家で静かに作業できることが増えたため、再度導入してみようと思い、せっかくなのでコンテンツとしてまとめることにしました。

一ヶ月ほど継続していますが、やはり一日に片付けられるタスク量が増え、安定化してきたので気になる人はぜひ導入を考えてみてください。

ポモドーロテクニックとは

ポモドーロテクニックは、1980年代後半にフランチェスコ・シリロによって開発された時間管理法です。大学時代にシリロが使っていたトマト型のキッチンタイマーにちなんで名付けられたとのことです。(「ポモドーロ」とはイタリア語でトマトを意味する)

ポモドーロテクニックのやり方

  1. 取り組みたいタスクを選ぶ
  2. タイマーを25分にセットする(この単位を「1ポモドーロ」と呼ぶ)
  3. タイマーが鳴るまでタスクに取り組む
  4. その後、5分程度の短い休憩を取る
  5. ポモドーロを4回終えたら、15~30分など長めの休憩を取る

ポモドーロテクニックに必要なもの

  • 時間を計るタイマー(できればインターバルを設定できるもの)
  • タスクを細かく分割したToDoリスト

Bluebirdのようなアプリを活用する形でも問題ありません。このアプリはポモドーロテクニックに特化しており、スマートフォンはもちろん、AppleWatchのようなスマートウォッチでも利用できます。

また、エンジニアのようにパソコンがメインの仕事環境である場合はGoogle ChromeのエクステンションであるStrict Workflowも検討すると良いでしょう。まさにポモドーロテクニックのために開発されたツールなので、使い勝手の評判はとても良いです。
FacebookやTwitter(現X)へのアクセスを封じたり、自分でブロックリスト(作業中に見られないURL設定)をつくることもできます。

ポモドーロテクニック導入における効果

言葉にしたら簡単で、「短い時間集中して仕事したら少しだけ休憩を取りましょう」ということです。
小学校〜高校までの授業ですらこの時間より長かったと思い出す人も多いことでしょう。しかし、人間の集中力を高く保つ、という点を考慮するとこのテクニックは非常に優秀なのです。

ここで、ポモドーロテクニックがエンジニアのリモートワークにどのような影響を与えるかを説明していきます。

集中力の向上

時間間隔を設定することによって、中断されることなく自分のタスクだけに集中できます。
また、1ポモドーロに対してタスクを管理しやすい大きさに分割することで、それぞれの仕事に集中し、注意深く取り組むことができるようになります。

バーンアウトの減少

定期的な休憩を取り入れることで、ポモドーロテクニックは精神的疲労の軽減に役立ちます。
複雑な問題に取り組むことの多いエンジニアは、このような休憩を充電時間として活用できます。

そして意外なことに、パソコンの前で頭を抱えるよりもこういった小休憩で歩き回ったり、ぼーっとしているときに難題の解決法のきっかけを思いつくことが多々あります。

タスク消化ログの追跡による可視化

このテクニックの厳格な時間構造により、エンジニアは異なるタスクにどれだけの時間を費やしているかを正確に追跡できるようになります。
これにより、タスクに対する自分の生産性のレベルを分析し、必要な調整が可能です。

たとえば、コードを書くときには1ポモドーロで複数タスクを片付けられるのにも関わらず、書類整理は1ポモドーロで終わらなければ、きっと書類整理が苦手なので実施する際には多めに時間を見積もっておくべきです。

タスクの優先順位付けの促進

ポモドーロごとに特定のタスクを選択する必要があるため、エンジニアは仕事に優先順位をつけるようになります。
これにより、さまざまなタスクやプロジェクトをより計画的に処理できるようになっていきます。

自分の中で優先度をつけられるようになると、スクラムのようなチーム開発でもそのスキルが活きてきます。

リモートワークにおける柔軟性の向上

リモートワークの環境では注意散漫になりがちです。テレビやYouTube、マンガなど、家の中には誘惑が多いのです。コーヒーが飲みたい、トイレに行きたい、といったちょっとしたことも、一度それをしてしまうだけで集中は途切れがちです。
ポモドーロテクニックによってそういった時間も含めて管理することで、一日のタスクを構造化できるため、ポモドーロテクニックはコントロールと予測可能性を提供するのに役立ちます。

潜在的な欠点

ポモドーロテクニックは非常に効果的ですが、潜在的な欠点がないわけではありません。
厳格な構造は、エンジニアのタスクの流動的な性質に合わない場合があり、一定間隔によって決まるタイミングは個人によってはプレッシャーや不安感を生む可能性があります。さらに共同作業環境では、一定の間隔が必ずしもチームの交流にプラス作用するとは限りません。

こういった特徴から、ポモドーロテクニックが自身のライフスタイルやワークスタイルにそぐわない可能性もあるのです。もし会社や対顧客におけるタスクへポモドーロテクニックを適合しづらい場合は、ぜひプライベート時間の勉強やトレーニングなどで試してみてください。
ポモドーロテクニック自体は、仕事だけでなく様々なシーンで活用できます。

燃え尽き症候群対策にも

ポモドーロテクニックは、時間とタスクを管理する体系的な方法として習得すべきスキルといっても過言ではありません。
特にリモートワークをするエンジニアにとっては、「集中力向上」「燃え尽き削減」「タスク消化時間追跡の容易性」「優先順位付け促進」に効果を期待できます。

しかし、すべての人のワークスタイルに合うとは限らず、個人的な選択として利用することを先行しましょうチーム内で導入する場合は、個人の嗜好や取り組んでいる仕事の性質を考慮して実施する必要があります。

使いこなせばとにかく生産性の向上につなげることができるため、自分専用にカスタマイズしながら独自のポモドーロテクニックを生み出すことも検討してみてください。

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