Excelは業界を問わず、多くの業種で使われる強力なツールです。
Excelの使い方は職種によって異なります。マーケターであれば、計算、データ分析、シミュレーションにExcelを使うケースがあるでしょう。プロジェクトマネージャーであれば、プロジェクトのトラッキング、予算管理、リスク管理など、異なる理由でExcelを使う状況もあります。
しかし、エンジニアにとってExcelは時々とっつきにくいアプリケーションだと思われることも多々あります。「自分で書いたほうが早い」「ファイルが増えて管理が面倒」など、さまざまな理由からエンジニアがExcelを忌避していることがあるのです。
エンジニアからのステップアップとして、PdMやプロジェクトマネージャーといったプロジェクトマネジメント職に移行する際、Excelを理解することは必ず役立つので学んでおくことをおすすめします。
ここでは、実務をしている中で実際に見てきたプロジェクト管理でExcelが使われている例をご紹介します。
プロジェクト管理でExcelが役立つのってどんなときだろう?
Excelには、効果的なプランニングとスケジューリングを可能にする様々な機能があります。
いくつかの機能の組み合わせが必要ではありますが、ガントチャートのようなツールも作成できます。プロジェクトのタイムラインを視覚化し、重要なマイルストーンを特定し、進捗を追跡することでプロジェクト管理に役立ちます。
Excelは予算管理において多目的な用途でも使えるツールです。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのコスト管理することが多いため、コストを監視し、予算内で収まるようにしなければなりません。財務データを整理し、複雑な計算を可能にするExcelの能力はこのタスクに最適です。
プロジェクトマネージャーの重要な役割の1つは、プロジェクトの進捗状況をすべての利害関係者に知らせることです。
Excelは、データを明確に表現するためのチャート、グラフ、表を使って、詳細で視覚的にわかりやすいレポートを作成するために使用できます。
Excelの高度なデータ分析ツールは、傾向を理解し、予測を立て、データによる意思決定を行うためことに役立ちます。
Excelには多くの独自関数や機能が備わっています。これらをすべて習得するのは難しいですが、よく使うものだけでも覚えておけば作業の時短につながります。
ここでは、いくつかのよく使われる関数を紹介します。
数値分析や計算の基本です。
期限、プロジェクト期間、スケジューリングのような時間ベースのデータを追跡するのに便利です。
識別子を作成したり、テキスト・フィールドからデータを抽出するなど、テキスト・データを操作するのに便利です。
異なるテーブルやシート間でデータを相互参照する用途で便利です。
予算超過や期限切れの項目にフラグを立てるなど、条件文を作成するために使用できます。
正味現在価値や内部収益率のような財務計算に役立ち、プロジェクト予算や財務分析に重要です。
プロジェクトデータの傾向やばらつきなどを分析するために使用できます。
大規模なプロジェクトデータの整理と分析に非常に便利です。
配列に対してより強力な操作を可能にし、多くの一般的なタスクを簡素化できます。
これらの関数に加え、プロジェクトマネージャーは、条件付き書式、ピボットテーブル、チャートといった、データを効果的に視覚化・分析するための機能にも精通しておく必要があります。
また、Excelではマクロを作成できるため、繰り返し作業を自動化し、時間を大幅に節約可能です。
Excelの強力な点は、個々の関数だけでなく、それらを数式で組み合わせて複雑なタスクを実行する能力です。ただでさえ、タスク量に忙殺されがちなプロジェクトマネージャーにとって、日々の仕事を時短できるスキルを手に入れることは成果向上・QOL向上に大きく貢献します。
Excelの計算式の作り方やデバッグの仕方を学ぶことは必須のスキルといっても過言ではありません。
Excelはプロジェクト管理の効率と効果を高める歴史深い万能ツールであり、顧客との接点が多い場合でも比較的共有しやすいソフトウェアです。
ただし、Excelは多くの強みを持つ一方で、すべてのタスクにとって最適とは限らないことはよく理解しておくべきです。より大規模で複雑なプロジェクトには、Asana、Jiraなどのプロジェクト管理ソフトウェアの方が適しているケースがあります。
エンジニアからステップアップとしてプロジェクト管理を始める人にとって、Excelはうまく使いこなすことで一体の支援ロボットのように扱えるのでぜひ身につけましょう。