最終更新
リンドくん
たなべ先生、Go言語を勉強してるんですけど、ポインタとか値渡しとか、なんだか難しそうで...
たなべ
わかるよ!でも実は、Go言語のポインタは他の言語と比べてシンプルで理解しやすいんだ。
今日は基礎から丁寧に解説するから、一緒に学んでいこう!
プログラミングを学ぶ中で、「ポインタ」や「値渡し・参照渡し」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
特にGo言語を学習している方にとって、これらの概念は避けて通れない重要なテーマです。
しかし、多くの初学者が「難しそう」「理解できない」と感じてしまうのも事実です。
実際、自分も最初にポインタという概念に出会ったときは、「なぜこんな複雑な仕組みが必要なの?」と思ったものです。
でも安心してください。Go言語のポインタは、C言語のポインタと比べて非常にシンプルで安全に設計されています。
そして、これらの概念を理解することで、メモリ効率的なプログラムを書けるようになり、AI時代のエンジニアとして必要な基礎力を身につけることができます。
この記事では、Go言語のポインタと値渡し・参照渡しについて、初心者の方でも理解できるよう段階的に解説していきます。
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リンドくん
そもそも「ポインタ」って何なんですか?
たなべ
ポインタは変数の住所を記録する特別な変数なんだ。まるで手紙を送るときの住所のようなものだよ。
実際の値ではなく、その値がメモリのどこにあるかを教えてくれるんだ。
ポインタとは、メモリ上のアドレス(住所)を格納する変数のことです。
変数には実際の値が入っていますが、ポインタにはその変数がメモリのどこに保存されているかという「場所の情報」が入っています。
例えば、あなたの家に「たなべ」という名前の人が住んでいるとします。この場合、変数とポインタは以下の関係になります。
このように、ポインタは「実際のデータがどこにあるか」を示すものなのです。
Go言語のポインタには、以下のような特徴があります。
これらの特徴により、Go言語のポインタは初心者でも比較的理解しやすくなっています。
Go言語でポインタを使う際の基本的な操作を見てみましょう。
ここで重要なのは以下の演算子です。
&
演算子: 変数のアドレスを取得する(「アドレス演算子」)*
演算子: ポインタが指している値を取得する(「間接参照演算子」)ポインタの真価は、別の場所から元の変数の値を変更できることにあります。
このように、ポインタを使うことで、元の変数を直接操作することができます。
リンドくん
関数に値を渡すときの「値渡し」と「参照渡し」って何が違うんですか?
たなべ
これは超重要な概念だね!
値渡しは「コピーを渡す」、参照渡し(ポインタ渡し)は「住所を教える」という違いがあるんだ。
値渡しでは、関数に値のコピーが渡されます。
そのため、関数内で値を変更しても、元の変数には影響しません。
この例では、number
の値(42)がコピーされて関数に渡されるため、関数内でx
を変更しても元のnumber
は変わりません。
参照渡しでは、変数のアドレス(ポインタ)を関数に渡します。
これにより、関数内から元の変数を直接操作できます。
この例では、number
のアドレスが関数に渡されるため、関数内から元のnumber
を直接変更できます。
それぞれの使い分けは以下のような基準で判断します。
Go言語では構造体もよく使われます。構造体とポインタの組み合わせを見てみましょう。
Go言語には、スライスやマップといった参照型があります。これらは特殊な性質を持っています。
スライスは値渡しでも内部のデータが変更されます。これは、スライスが内部的に配列への参照を持っているためです。
リンドくん
ポインタを使うとパフォーマンスが良くなるって聞いたんですけど、本当ですか?
たなべ
その通り!特に大きなデータ構造を扱うときは、ポインタを使うことでメモリ使用量を大幅に削減できるんだ。
大きな構造体を扱う際の、値渡しとポインタ渡しの違いを見てみましょう。
このテストを実行すると、ポインタ渡しの方が圧倒的に高速で、メモリ使用量も少ないことがわかります。
以下のような基準で使い分けを行いましょう。
値渡しを使う場合
ポインタ渡しを使う場合
Go言語でポインタを扱う際の最も一般的な問題は、nilポインタへの操作です。
Go言語では、ポインタのポインタも作成できますが、複雑になりがちなので注意が必要です。
このような複雑な構造は、通常の開発では避けることをお勧めします。
リンドくん
ポインタって最初は難しく感じましたけど、実際に使ってみると便利なんですね!
たなべ
そうなんだ!ポインタを理解すると、メモリ効率的で高性能なプログラムが書けるようになるよ。
Go言語のポインタと値渡し・参照渡しについて、基礎から実践的な活用法まで解説してきました。
重要なポイントを改めて整理しましょう。
ポインタの本質
&
演算子でアドレス取得、*
演算子で値を参照値渡しと参照渡しの使い分け
これらの概念を理解することで、より効率的で安全なGo言語プログラムを書けるようになります。
メモリの扱いが効率的なプログラミングスキルは非常に重要です。
ぜひ実際にコードを書いて試してみてください。
最初は慣れないかもしれませんが、練習を重ねることで必ず身につきます。