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Go Workspace初心者ガイド!Go Modulesとの違いと使い分けを分かりやすく解説

リンドくん

リンドくん

たなべ先生、Go言語を学び始めたんですが、「Go Workspace」と「Go Modules」って何が違うんですか?どっちを使えばいいのかよくわからなくて...

たなべ

たなべ

最初は混乱しやすい概念だよね。
簡単に言うと、Go Modulesは単一プロジェクトの管理、Go Workspaceは複数プロジェクトをまとめて管理するためのものなんだ。

Go言語を学び始めた方にとって、パッケージ管理の仕組みは最初の大きな壁の一つではないでしょうか?
特に「Go Workspace」と「Go Modules」という2つの概念が出てくると、「どちらを使えばいいの?」「何が違うの?」と混乱してしまう方も多いと思います。

この記事では、Go言語のパッケージ管理の基本から、WorkspaceとModulesの違い、そして実際の使い方まで、初心者の方でも理解できるよう段階的に解説していきます。

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Go Modulesとは?まずは基本から理解しよう

リンドくん

リンドくん

そもそもGo Modulesって何なんですか?他の言語でも似たようなものがあるんでしょうか?

たなべ

たなべ

そうだね、他の言語で例えるならNode.jsのpackage.jsonPythonのPyPIみたいなものと考えると分かりやすいよ。
プロジェクトで使う外部パッケージを管理する仕組みなんだ。

Go Modulesの基本概念

Go Modulesは、Go 1.11から導入されたGo言語公式のパッケージ管理システムです。
これまでの複雑なGOPATHベースの管理方法に代わって、よりシンプルで強力な依存関係管理を実現しています。

Go Modulesの主な特徴は以下の通りです。

  • プロジェクトごとの独立した管理 - 各プロジェクトが独自の依存関係を持てる
  • バージョン管理 - パッケージの特定バージョンを指定できる
  • 再現可能なビルド - 同じコードから常に同じ結果を得られる
  • GOPATHからの脱却 - どこにでもプロジェクトを配置可能

go.modファイルの役割

Go Modulesの核となるのがgo.modファイルです。このファイルには以下の情報が記録されます。

module example.com/myproject

go 1.24

require (
    github.com/gin-gonic/gin v1.10.1 // indirect
    github.com/stretchr/testify v1.10.0 // indirect
)

このファイルを見ると、プロジェクトが何に依存しているかが一目でわかりますね。

基本的な使い方

新しいGo Modulesプロジェクトを作成する手順は非常にシンプルです。

# 新しいディレクトリを作成
mkdir my-go-project
cd my-go-project

# Go Moduleを初期化
go mod init example.com/my-go-project

# 依存関係を追加
go get github.com/gin-gonic/gin

これだけで、モダンなGo開発環境が整います。

Go Workspaceとは?複数プロジェクト管理の新しいアプローチ

リンドくん

リンドくん

Go Workspaceっていうのは、どんな時に使うものなんですか?

たなべ

たなべ

複数の関連するプロジェクトを同時に開発したい時に威力を発揮するんだ。
例えば、APIサーバーとCLIツールを同時に開発する場合なんかがそうだね。

Go Workspaceの基本概念

Go Workspaceは、Go 1.18から導入された比較的新しい機能です。
複数のGo Modulesを一つのワークスペース内でまとめて管理できる仕組みです。

今までは、複数の関連プロジェクトを開発する場合は以下のような課題がありました。

  • 依存関係の管理が複雑 - プロジェクト間の相互依存が面倒
  • 開発効率の低下 - 変更のたびにmoduleを更新する必要がある
  • デバッグの困難 - 複数プロジェクトにまたがるデバッグが難しい

Go Workspaceは、これらの課題を解決します。

go.workファイルの構造

Workspaceの設定はgo.workファイルで管理されます。

go 1.24

use (
    ./api
    ./cli
    ./shared
)

このファイルにより、指定されたディレクトリ内のすべてのモジュールが一つのワークスペースとして扱われます。

実際の使用例

実際にWorkspaceを作成してみましょう。

# ワークスペースのルートディレクトリを作成
mkdir my-workspace
mkdir -p my-workspace/{api,cli}
cd my-workspace

# Workspaceを初期化
go work init

# 既存のモジュールをワークスペースに追加
go work use ./api
go work use ./cli

# 新しいモジュールを作成してワークスペースに追加
cd api
go mod init example.com/api
cd ../cli
go mod init example.com/cli

これで、2つのモジュールが一つのワークスペースで管理されるようになります。

WorkspaceとModulesの違いと使い分け

リンドくん

リンドくん

結局、どういう時にどちらを使えばいいんでしょうか?判断基準がよくわからなくて...

たなべ

たなべ

シンプルに考えるといいよ。単一のプロジェクトならModules、複数の関連プロジェクトならWorkspaceという感じかな。
でも具体例で見た方が分かりやすいと思うから、詳しく説明するね。

Go Modulesを選ぶべき場面

Go Modulesは以下のような場面で最適です。

単一のアプリケーション開発

  • Webアプリケーション
  • CLIツール
  • ライブラリの開発
# 例:単一のWebアプリケーション
mkdir web-app
cd web-app
go mod init example.com/web-app

外部ライブラリの利用が中心

  • 既存のパッケージを組み合わせた開発
  • 比較的シンプルな依存関係

チーム開発での標準的な構成

  • プロジェクトの範囲が明確
  • 独立してデプロイされるサービス

Go Workspaceを選ぶべき場面

一方、Go Workspaceは以下のような場面で威力を発揮します。

モノレポ(Monorepo)開発

my-project/
├── go.work
├── api-server/
│   └── go.mod
├── web-client/
│   └── go.mod
└── shared-utils/
    └── go.mod

マイクロサービス開発

  • 複数のサービスが相互に依存
  • 共通ライブラリの開発と利用
  • 同期的な開発が必要

ライブラリとその利用例の開発

  • ライブラリ本体
  • サンプルアプリケーション
  • テストツール

判断のポイント

以下の質問で判断すると良いでしょう。

  1. 開発するのは1つのプロジェクトか? → Yes: Modules
  2. 複数のプロジェクトが相互に依存しているか? → Yes: Workspace
  3. 共通コードを複数プロジェクトで使うか? → Yes: Workspace
  4. 独立してデプロイされるか? → Yes: Modules

よくあるトラブルと解決法

リンドくん

リンドくん

Workspaceを使っていると、たまにエラーが出るんですが、どう対処すればいいでしょうか?

たなべ

たなべ

Workspace特有のトラブルはいくつかパターンがあるね。
よくある問題と解決法を整理しておこう。

トラブル1 モジュールが見つからないエラー

症状: module not found エラーが発生する

原因: ワークスペースにモジュールが正しく登録されていない

解決法

# モジュールを再登録
go work use ./path/to/module

# 依存関係を更新
go mod tidy

トラブル2 バージョン衝突

症状: 異なるモジュールで同じパッケージの異なるバージョンを要求

原因: 依存関係の不整合

解決法

# 全体の依存関係を同期
go work sync

# 特定のバージョンに統一
go get package@version

トラブル3 ビルドエラー

症状: ローカルでは動作するが、CI/CDでエラーになる

原因: go.workファイルがバージョン管理に含まれている

解決法

# .gitignoreにgo.workを追加
echo "go.work" >> .gitignore
echo "go.work.sum" >> .gitignore

予防策とベストプラクティス

定期的なメンテナンス

# 依存関係の整理
go mod tidy
go work sync

# 不要なモジュールの削除
go work edit -dropuse=./old-module

チーム開発での注意点

  • go.workファイルは基本的にローカル用(.gitignoreに追加)
  • CI/CDでは個別モジュールでのビルドを実行
  • ドキュメントにワークスペースの構築手順を記載

まとめ

リンドくん

リンドくん

Go WorkspaceとGo Modulesの違いがよく分かりました!これで迷わず使い分けできそうです。

たなべ

たなべ

素晴らしいね!適切なツールを選択することで開発効率は大きく変わるからね。
最初は単純なプロジェクトから始めて、徐々に複雑な構成にチャレンジしていくといいよ。

この記事では、Go言語のWorkspaceとModulesについて、基本概念から実践的な使い方まで解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • Go Modulesは単一プロジェクトの依存関係管理に最適
  • Go Workspaceは複数の関連プロジェクトをまとめて管理する仕組み
  • 適切な選択により開発効率が大幅に向上する
  • 実際の運用では、プロジェクトの性質に応じて使い分けることが重要

Go言語のパッケージ管理は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本を理解すれば非常に強力なツールになります。
まずは小さなプロジェクトでGo Modulesに慣れ、その後で複数プロジェクトの管理が必要になったらGo Workspaceを試してみてください。

現代のソフトウェア開発では、適切なツール選択が必要な技能となります。
Go言語の優れたパッケージ管理機能を活用して、より効率的で保守性の高いコードを書いていきましょう!

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