プログラミングの肝とも言える演算。この演算処理を実行するために、**演算子(オペレータとも言う)**を使います。
前回の式と文のコンテンツでも触れた通り、プログラミングでは変数代入時のみならず、さまざまな場面で登場する表現です。
今回はその演算子の使い方を、人気のプログラミング言語であるJavaで説明していきます。
まずは演算子の種類を学んでいきましょう。
一言で演算子といえど、そこからいくつかの種類に分かれます。まとめると以下のように4種類の演算子があります。
+
や-
といった、いわゆる算数や数学で使う演算子です。+
のみ。=
を使ったさまざまな表現があります。++/--
で表します。まずは算術演算子の説明です。
以下は、算術演算子で扱える演算子の一覧になります。
演算子 | 演算の種類 | 例 |
---|---|---|
+ | 加算(足し算) | 10 + 20 //=> 30 |
- | 減算(引き算) | 20 - 10 //=> 10 |
* | 乗算(掛け算) | 10 * 20 //=> 200 |
/ | 除算(割り算) | 6 / 2 //=> 3 |
% | 剰余(割り算の余り) | 17 / 3 //=> 2 |
加算、減算以外は算数や数学と違った記号を使うので、最初は戸惑うでしょうが、多くのプログラミング言語で同じ使い方をするのですぐ慣れます。
コードで書くと以下のようになります。
次に、文字列結合演算子を見ていきましょう。
単純に文字列を結合する(くっつける)だけの演算子となります。注意点として、型が文字列同士でないと使えないという特徴があります。
演算子 | 演算の種類 | 例 |
---|---|---|
+ | 文字列結合 | "Hello, " + "Tanaka!" //=> "Hello, Tanaka!" |
コードで書くと以下のようになります。
代入演算子は、変数のコンテンツでも扱ったように、変数を代入するときに使います。
ただし、=
だけでなく、=
に別の記号を与えることで幅広い表現が可能です。
演算子 | 演算の種類 | 例 |
---|---|---|
= | 右辺を左辺に代入 | x = 10 |
+= | 左辺に右辺を加算して代入 | x += 10 (x = x + 10 と同じ、文字列連結でも使える) |
-= | 左辺から右辺を減算して代入 | x -= 10 (x = x - 10 と同じ) |
*= | 左辺に右辺を乗算して代入 | x *= 10 (x = x * 10 と同じ) |
/= | 左辺から右辺を除算して代入 | x /= 10 (x = x / 10 と同じ) |
%= | 左辺から右辺を除算して余りを代入 | x %= 10 (x = x % 10 と同じ) |
コードで書くと以下のようになります。
プログラミングでよくある表現として、「この数値を+1したい」「この数値を-1したい」といった場面があります。
そういったときにインクリメント演算子とデクリメント演算子が、簡単にそれを表現してくれます。
演算子 | 演算の種類 | 例 |
---|---|---|
++ | 1増加 | x++ (x += 1 と同じ) |
-- | 1減少 | x-- (x -= 1 と同じ) |
コードで書くと以下のようになります。
演算子には優先度があり、優先度が高いほど先に処理されるという性質があります。
たとえば、+
(加算)と*
(乗算)では*
(乗算)の優先度が高いため、先に計算されます。
優先度分けをすると以下のようになります。
*
, /
, %
+
, -
この規則を知っておかないと、結果が期待通りにならず混乱してしまうため、頭に入れておいてください。
普段、我々が使っているコンピュータは、もともと計算機と呼ばれていたものです。
その言葉通り、本来計算を処理するための機械であるため、コンピュータと対話する作業であるプログラミングは計算が基本的な処理です。
演算子の使い方を正しく理解しておくことは、プログラミング学習においてとても重要です。
代入演算子などは意識しないと冗長な表現で書いてしまうこともあるため、しっかり覚えておきましょう。