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Unityシーン管理の基本!LoadSceneAsyncで実装するロード画面

リンドくん

リンドくん

先生、Unityでゲームを作ってるんですけど、シーンを切り替えるときに画面が一瞬止まっちゃうんです...

たなべ

たなべ

あぁ、それはシーンの読み込みが原因だね。
大きなシーンを読み込むとき、LoadSceneAsyncを使えばロード画面を表示しながらスムーズに切り替えられるんだよ。

リンドくん

リンドくん

ロード画面ですか?よくゲームで見る「Now Loading...」みたいなやつですよね?

たなべ

たなべ

その通り!今日はシーン管理の基本ロード画面の実装方法を一緒に学んでいこう。

ゲーム開発を進めていくと、必ず直面するのが「シーン遷移」の問題です。
タイトル画面からゲーム本編へ、ステージ1からステージ2へ...こうした場面転換をスムーズに行うことは、プレイヤー体験の質を大きく左右します。

特に大きなシーンを読み込む際の「フリーズ」は、プレイヤーにストレスを与える大きな要因となります。
「ゲームが固まった?」と不安にさせてしまうこともあるのではないでしょうか。

この記事では、Unityのシーン管理の基礎から、LoadSceneAsyncを使った非同期読み込み、そしてロード画面の実装まで、初心者の方でも理解できるよう段階的に解説していきます。

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Unityのシーン管理の基本を理解しよう

リンドくん

リンドくん

そもそも「シーン」って何なんですか?

たなべ

たなべ

シーンはゲームの1つの場面や状態を表すものなんだ。
例えば、タイトル画面、ゲームプレイ画面、クリア画面...それぞれが独立したシーンとして管理されるんだよ。

シーンとは何か

Unityにおけるシーン(Scene)とは、ゲームの特定の状態や場面を構成するすべての要素をまとめたものです。
各シーンには以下のような要素が含まれます。

  • ゲームオブジェクト - キャラクター、背景、UIなど
  • ライト - シーンの照明設定
  • カメラ - プレイヤーの視点
  • オーディオ - BGMや効果音の設定

例えば、RPGゲームを作る場合、以下のようにシーンを分けることが一般的です。

  • タイトルシーン
  • メニューシーン
  • フィールドシーン
  • バトルシーン
  • リザルトシーン

このようにシーンを分割することで、プロジェクトの管理が容易になり、メモリ効率も向上します。

シーン遷移の基本的な方法

Unityでシーンを切り替える最もシンプルな方法は、SceneManager.LoadScene()メソッドを使用することです。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;

public class SceneChanger : MonoBehaviour
{
    // シーン名を指定して読み込む
    public void LoadGameScene()
    {
        SceneManager.LoadScene("GameScene");
    }
    
    // シーンのインデックス番号で読み込む
    public void LoadSceneByIndex()
    {
        SceneManager.LoadScene(1);
    }
}

この方法は非常にシンプルですが、重要な問題があります。
それは、シーンの読み込みが完了するまでゲームが完全に停止してしまうということです。

小さなシーンであれば問題ありませんが、大規模なシーンの場合、数秒間画面が固まってしまうことがあります。
これがプレイヤーに不安を与える原因となるのです。

なぜ非同期読み込みが必要なのか

通常のLoadScene()メソッドは同期的に動作します。
つまり、シーンの読み込みが完了するまで、他のすべての処理が停止してしまいます。

これに対して非同期読み込みを使用すると、以下のようなメリットがあります。

  • ロード画面を表示できる - 読み込み中もUIを更新できます
  • 進捗状況を表示できる - プレイヤーに待ち時間の目安を伝えられます
  • ゲームが固まった印象を与えない - スムーズなユーザー体験を提供できます

まさにこの問題を解決するのが、次に解説するLoadSceneAsync()メソッドなのです。

LoadSceneAsyncで非同期にシーンを読み込む

リンドくん

リンドくん

非同期読み込みって難しそうですね...

たなべ

たなべ

最初はそう感じるかもしれないけど、基本的な使い方はとてもシンプルなんだ。
コルーチンという仕組みを使うことで、読み込みの進捗を追跡しながら処理できるよ。

LoadSceneAsyncの基本的な使い方

LoadSceneAsync()メソッドは、シーンを非同期に読み込むための機能です。
このメソッドはAsyncOperationオブジェクトを返し、これを使って読み込みの進捗を監視できます。

基本的な実装は以下のようになります。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;
using System.Collections;

public class AsyncSceneLoader : MonoBehaviour
{
    // 非同期でシーンを読み込む
    public void LoadSceneAsync(string sceneName)
    {
        StartCoroutine(LoadSceneCoroutine(sceneName));
    }
    
    // コルーチンでシーンを読み込む
    private IEnumerator LoadSceneCoroutine(string sceneName)
    {
        // 非同期読み込みを開始
        AsyncOperation asyncLoad = SceneManager.LoadSceneAsync(sceneName);
        
        // 読み込みが完了するまで待機
        while (!asyncLoad.isDone)
        {
            // 進捗状況をログに表示(0.0~1.0の値)
            Debug.Log($"読み込み進捗: {asyncLoad.progress * 100}%");
            
            // 次のフレームまで待機
            yield return null;
        }
        
        Debug.Log("シーンの読み込みが完了しました");
    }
}

このコードのポイントは以下の通りです。

  • コルーチンを使用 - IEnumeratorを返すメソッドで非同期処理を実現
  • AsyncOperationで進捗を取得 - progressプロパティで0.0~1.0の進捗値を取得
  • isDoneで完了を検知 - 読み込みが完了したかを判定

コルーチンとは何か

ここで使用しているコルーチン(Coroutine)について簡単に説明しましょう。
コルーチンは、処理を複数のフレームに分割して実行できる仕組みです。

通常のメソッドは一度に最後まで実行されますが、コルーチンはyield returnで一時停止し、次のフレームで処理を再開できます。
これにより、長時間かかる処理を分割して、ゲームが固まるのを防げるのです。

読み込み完了後の自動遷移を制御する

デフォルトでは、LoadSceneAsync()は読み込みが完了すると自動的にシーンが切り替わります。
しかし、ロード画面を一定時間表示したい場合や、プレイヤーの入力を待ちたい場合は、自動遷移を無効にできます。

private IEnumerator LoadSceneCoroutine(string sceneName)
{
    AsyncOperation asyncLoad = SceneManager.LoadSceneAsync(sceneName);
    
    // 自動遷移を無効化
    asyncLoad.allowSceneActivation = false;
    
    // 読み込みが90%完了するまで待機
    while (asyncLoad.progress < 0.9f)
    {
        Debug.Log($"読み込み進捗: {asyncLoad.progress * 100}%");
        yield return null;
    }
    
    Debug.Log("読み込み完了!Enterキーを押してください");
    
    // プレイヤーの入力を待つ
    while (!Input.GetKeyDown(KeyCode.Return))
    {
        yield return null;
    }
    
    // シーンを切り替える
    asyncLoad.allowSceneActivation = true;
}

ロード画面を実装してみよう

リンドくん

リンドくん

実際のロード画面ってどうやって作るんですか?

たなべ

たなべ

基本的には専用のロード画面シーンを作って、そこで進捗バーを表示するんだ。
UIとスクリプトを組み合わせれば、プロっぽいロード画面が作れるよ!

ロード画面シーンの構成

プロフェッショナルなロード画面を作るには、以下のような構成が推奨されます。

  1. ロード専用シーンの作成 - "LoadingScene"という名前のシーンを新規作成
  2. UI要素の配置 - CanvasやUI Toolkit(Unity6ではこちらを推奨)で画面を作成

シーン遷移の呼び出し側の実装

UI側を実装した後は、呼び出し側を作りましょう。
ロード画面を経由してシーンを切り替える場合、呼び出し側では以下のように実装します。

using UnityEngine;
using UnityEngine.SceneManagement;

public class SceneTransition : MonoBehaviour
{
    // ロード画面を経由してシーンを切り替える
    public void LoadSceneWithLoadingScreen(string sceneName)
    {
        // 次に読み込むシーン名を保存
        PlayerPrefs.SetString("NextScene", sceneName);
        
        // ロード画面シーンに遷移
        SceneManager.LoadScene("LoadingScene");
    }
    
    // 使用例 ボタンから呼び出すためのメソッド
    public void OnGameStartButtonClicked()
    {
        LoadSceneWithLoadingScreen("GameScene");
    }
}

この実装により、どのシーンからでも統一されたロード画面を経由してシーン遷移ができるようになります。

より洗練されたロード画面を作るためのテクニック

リンドくん

リンドくん

もっとかっこいいロード画面にしたいんですけど、どうすればいいですか?

たなべ

たなべ

いい意気込みだね!
アニメーションランダムなTips表示を加えると、待ち時間が退屈にならないよ。プロのゲームでもよく使われる手法なんだ。

ローディングアニメーションの追加

単なる進捗バーだけでなく、回転するアイコンなどのアニメーションを加えると、より動きのあるロード画面になります。

using UnityEngine;

public class LoadingIconRotator : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] private float rotationSpeed = 100f;
    
    private void Update()
    {
        // Z軸を中心に回転
        transform.Rotate(0f, 0f, -rotationSpeed * Time.deltaTime);
    }
}

このスクリプトを回転させたいUI要素(丸いローディングアイコンなど)にアタッチするだけで、自動的に回転アニメーションが適用されます。

ランダムなヒントやTipsの表示

長い読み込み時間を有効活用するために、ゲームのヒントやTipsをランダムに表示する機能を追加できます。

using UnityEngine;
using UnityEngine.UI;

public class LoadingTipsDisplay : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] private Text tipsText;
    
    [Header("表示するヒント一覧")]
    [SerializeField] private string[] tips = new string[]
    {
        "ジャンプ中に攻撃ボタンで空中コンボができます",
        "敵の攻撃は回避ボタンで避けられます",
        "アイテムを集めると特殊能力が解放されます",
        "セーブポイントを見つけたらこまめにセーブしましょう"
    };
    
    private void Start()
    {
        DisplayRandomTip();
    }
    
    private void DisplayRandomTip()
    {
        if (tips.Length > 0 && tipsText != null)
        {
            int randomIndex = Random.Range(0, tips.Length);
            tipsText.text = tips[randomIndex];
        }
    }
}

このスクリプトをロード画面に配置することで、毎回異なるヒントが表示され、プレイヤーを飽きさせません。

フェードイン・フェードアウト効果

シーン遷移時に画面をフェードアウト/インさせることで、より滑らかな切り替えを実現できます。

using UnityEngine;
using System.Collections;

public class FadeController : MonoBehaviour
{
    [SerializeField] private Sprite fadeImage;
    [SerializeField] private float fadeDuration = 1.0f;
    
    // フェードアウト(画面を暗くする)
    public IEnumerator FadeOut()
    {
        float elapsedTime = 0f;
        Color color = fadeImage.color;
        
        while (elapsedTime < fadeDuration)
        {
            elapsedTime += Time.deltaTime;
            color.a = Mathf.Clamp01(elapsedTime / fadeDuration);
            fadeImage.color = color;
            yield return null;
        }
    }
    
    // フェードイン(画面を明るくする)
    public IEnumerator FadeIn()
    {
        float elapsedTime = 0f;
        Color color = fadeImage.color;
        
        while (elapsedTime < fadeDuration)
        {
            elapsedTime += Time.deltaTime;
            color.a = 1.0f - Mathf.Clamp01(elapsedTime / fadeDuration);
            fadeImage.color = color;
            yield return null;
        }
    }
}

このフェード効果を先ほどのLoadingManagerと組み合わせることで、プロっぽい演出が可能になります。

まとめ

リンドくん

リンドくん

ロード画面の仕組みがよくわかりました!これでプレイヤーにストレスを与えないゲームが作れそうです。

たなべ

たなべ

その意気だね!
シーン管理は地味に見えるけど、プレイヤー体験の質を大きく左右する重要な要素なんだ。ぜひいろんなアレンジを加えて、自分だけのロード画面を作ってみてね。

この記事では、Unityにおけるシーン管理と、LoadSceneAsyncを使った非同期読み込みの実装方法について解説してきました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • シーンは場面ごとに分割することで、プロジェクト管理とメモリ効率が向上します
  • LoadSceneAsyncを使うことで、ゲームを止めずにシーンを読み込めます
  • コルーチンを活用して、読み込みの進捗を追跡しながら処理を進めます
  • 専用のロード画面シーンを作ることで、統一感のある遷移を実現できます
  • アニメーションやTips表示を加えることで、待ち時間を有効活用できます

ロード画面は、プレイヤーが「待たされている」という印象を和らげる重要な要素です。
シンプルな進捗バーだけでも十分ですが、アニメーションやヒント表示を加えることで、よりプロフェッショナルな印象を与えられるのではないでしょうか。

ゲーム開発では、こうした細部へのこだわりが、プレイヤーの満足度を大きく向上させます。
ぜひ今回学んだ技術を活用して、快適なゲーム体験を提供してください。

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